設立経緯

 平成24年7月20日、愛媛県西条市内において、西条聖マリア幼稚園(学校法人ロザリオ学園経営。理事長[当時]レチョン・ハビエル・ヘルナンデス、園長[当時]近藤惠津子)によるお泊まり保育が実施され、その際行われた川での水遊び中に、園児が複数川に流され、これによって吉川慎之介君という当時5歳だった男の子の尊い命が絶たれました。

 これは、単なる水の事故ではありません。

 西条聖マリア幼稚園は、学校保健安全法27条に基づく学校安全計画を策定実施せず、急流の河川において、浮き具や安全具等の準備もなく、天候に対する配慮もせず、加えて保護者から不安視する声があったにもかかわらず、適正な判断と安全への配慮無きまま行事を強行してしまった、安全管理体制不備による事件です。

 この事件は、平成25年8月2日に前理事長レチョン・ハビエル・ヘルナンデス、当時園長近藤恵津子をはじめ引率職員ら7名、全9名が業務上過失致死傷罪の容疑で書類送検されました。
(平成26年3月28日元園長 近藤恵津子、元主任 村上玲子、お泊り保育立案者 越智亜里 3名起訴、他6名不起訴)

 西条聖マリア幼稚園においては、この事件に先立ち、安全管理体制の不備から園児の鼓膜が損傷する事件が発生する等、様々な事件が発生していることが判明しました。上記のとおり、法令上求められる基本的な安全計画をも策定しないまま運営がなされていたことから、仮に、平成24年7月20日に当該事件が発生していなかったとしても、同様の被害はいずれ起きたものと思われます。
 「可哀そうで不運な事故」「ロザリオ学園と西条聖マリア幼稚園の問題」「うちは大丈夫」と他人事としてやり過ごしてしまうのではなく、同様の事故・事件が全国で後を絶たない現状の中で、すべての幼稚園や保育園、学校等、保育・教育現場で起こりうる可能性のある事件であると捉え、自分たちの立場や環境に置き換えて考えることが重要で、安全危機管理体制や子どもの安全について、社会全体で真摯に見つめ直すべき重大な問題です。

 しかし、ロザリオ学園、愛媛県及び西条市ともに、第三者による徹底した事件の解明には消極的であり、風化は加速し、忘れ去られようとしています。

 私たちは、まず、事件をきちんと調べ、その原因を分析し、再発を防止と事故の未然防止ために具体的な行動を取らなければなりません。

 事故調査と原因分析を行い、再発防止策を考え、保育・教育現場に再発防止策を伝え、子どもの安全危機管理の実施と支援をするために、吉川慎之介君の両親(吉川豊及び吉川優子)の呼びかけにより、お泊り保育に参加した園児の保護者らを中心に当会が発足しました。