「学校法人ロザリオ学園・西条聖マリア幼稚園管理下における園児溺死事件に関し、学校安全管理上の問題を検証する第三者委員会」 第三者委員会について
~委員長:京都精華大学教授 住友剛先生 5月8日第一回会合 石鎚ふれあいの里にて

「吉川慎之介君の悲劇を二度起こさないための学校安全管理と再発防止を考える会」から、
第三者委員会の設置の要望がありまして、私達三人が本日から
「学校法人ロザリオ学園・西条聖マリア幼稚園管理下における園児溺死事件に関し、学校安全管理上の問題を検証する第三者委員会」通称、慎之介君委員会、あるいは慎ちゃん委員会として呼んでおりますが、
第三者委員会を設置する運びとなりました。

今日が第一回目という事で、事故が起きた現場を実際に見てみる、見ておくこと。
なおかつ、亡くなった慎之介君のご両親から、
今の段階でどういう事が分かっているのかなどについて、
話を聞かせていただきました。

この間、考える会では、行政などへ調査委員会の設置を要望しました。
ですが、設置されることはありませんでした。
その中で、私達は、原因の特定、解明、あるいは責任の所在を明らかにしていくという事が
今後の事故防止に対し重要だと考えました。

学校事故事件が起きた場合、公立の学校などですと最近、
遺族との話し合いで第三者委員会が起ちあがるという
そういう流れができつつあります。
もちろん、運営の在り方についてはまだまだ検討する課題があります。
ですが、公立ではなくて、私立についてはどうするのか。

私立で子供が亡くなる悲しい事故事件が起きた場合に、
原因究明や再発防止策を作ったりするシステムがまだ十分に確立していない。
そもそも、こういった原因究明や再発防止策づくりの取り組みを
しているかどうか怪しいという状況があります。
なおかつ、原因究明や再発防止策づくりなどを遺族の側からやってほしいと
当該の学校法人に要望しても、あるいは、
当該の学校法人を管轄している県などに要望しても
なかなか動いてくれない現実があります。

そのような状況の中で、実際に被害にあわれた方、
ご遺族の方、ほかの保護者の方の意見を踏まえて、
誰かが動かざるをえない、誰かが何かをやらざるをえない。
私達としては、本当にやむを得ず、起ちあがったというような次第です。

ただ、私達委員会としましては、ご遺族の方、ほかの保護者の方の話を
ていねいに聞かなければならいという事は大前提なのですが、
当然のことながら一定の公平性を保つ必要があります。

また、検証作業の必要性から考えましても、当該の学校法人ですとか、
あるいは、当該のマリア幼稚園の教諭の皆さん、
さらには愛媛県の方に是非話を伺いたいと思っています。

その上で、今後、同様の事故を起こさないために何が必要かという事をていねいに検証し、
具体的な提案をまとめたいと私達としては考えています。

事故当日、
先生たちがどうふるまわれたのか、何が気がかりだったのか、何を感じていたのか、
私達としては正直にお話いただきたいと思います。
そこが分からない限りは、原因究明というのは出来ないところです。
また、そこが分からない限りは、
当日の事実経過も今、判明しているところからしか考えざるをえません。
なので、そこをなんとか正直にお話いただきたいというのが私達の切実なお願いです。

幼稚園側からもお話を伺って、適切に原因究明を行っていくことなしには、
具体的な再発防止策へとはなかなかつながらないと思いますので、
できるだけ、何度も何度も呼びかけたいと思います。

そして、私達の立場としては、子どもたちの立場にたって、
これから二度とこのような事故を起こさないためにはいったい何が大事なのか、
特に幼稚園教育の何をどう改めていかなければいけないのか、ということ。
たとえば日頃の保育活動ですとか、あるいは、こうした園外活動ですとか、
そういった中で、どういった事に気を付けながらやっていかなければならないのか、
その事を徹底的に考えたいと思っています。

一般的に裁判の中では、この事故から教訓を得て、
保育教育活動をどう進めていけばよいのかという事は、なかなか議論になりません。

やはり、亡くなった子ども、深い傷を負った子どもたち、その子どもたちが受けた傷痛みを、
私達は十分に事実経過の検証の中から受け止めて、
二度とこんな辛い思いをする子、
悲しい思いをする子が出ないためにはどうしたらよいか、
という事を考えて行くことが大事だと考えています。
私達はその視点に立って、
保護者の皆さん、ご遺族、教職員の皆さんの話をていねいに聞きたいというのが、
第三者委員会として今、考えていることです。

亡くなった子ども、深い傷を負った子どもたちの立場に立つ。
その立場に立った調査を、私たちは限りなく第三者という立場を保ち、進めて参りたいと思います。

(以上、2014年5月8日(木)、事故現場での記者会見における発言内容をテープ起こししたものに加筆修正を行いました。)
「学校法人ロザリオ学園・西条聖マリア幼稚園管理下における園児溺死事件に関し、学校安全管理上の問題を検証する第三者委員会」 委員長住友剛

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