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平成26年9月8日付愛媛新聞に掲載されました
『西条・加茂川園児死亡遺族らが東京で「安全学会」』

平成26年9月8日付愛媛新聞
西条・加茂川園児死亡遺族らが東京で「安全学会」

【写真】教育関係者らが集まった「子ども安全学会」であいさつする吉川豊さん(中央)
=7日午後、東京・有楽町

 
2012年、愛媛県西条市の加茂川に幼稚園のお泊まり保育で来ていて流され亡くなった吉川慎之介ちゃん=当時(5)=の遺族らが、保育・教育現場の危機管理などを研究する「子ども安全学会」を7日立ち上げ、東京の日本外国特派員協会で講演会を開いた。

学会は、教育現場で子どもを亡くした複数の遺族や専門家らが、これまで行っていた勉強会を発展させる形で発足。幼稚園や学校などで起きた子どもの事故事件の情報共有や研究、シンポジウムなどを通して、情報発信や提言をしていく。

講演会では、「保育・教育現場の事故事件から子どもの安全を考える」をテーマに大学教授ら3人が登壇し、教育関係者など約50人が集まった。

「子どもの安全学会」第一回大会、一般社団法人吉川慎之介基金設立記念式が外国人記者クラブにて開催されました

H26年9月7日
「子どもの安全学会」第一回大会、一般社団法人吉川慎之介基金設立記念式が外国人記者クラブにて開催されました。
意義ある一歩を踏み出すことが出来ました。

あらゆる立場を超えて、状況に左右されることなく
子どもの安全を考える場になるよう努めてまいります。

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H26年9月8日
「子ども安全学会」発足、愛媛の園児死亡遺族ら

愛媛県西条市で2012年7月、幼稚園のお泊まり保育中に川遊びで流され死亡した吉川慎之介ちゃん(当時5)の両親らが、教育現場での安全をテーマに研究し、情報発信を目指すグループ「子ども安全学会」を発足させ、第1回大会を7日、東京都内で開いた。

弁護士や教育関係者ら約30人が参加。慎之介ちゃんの母、優子さん(43)が「子供の安全について学ぶための意義ある一歩を踏み出せた。
一遺族、一保護者として皆さんと一緒に取り組んでいきたい」とあいさつした。

講演した名古屋大大学院の内田良准教授は、柔道の部活や授業中に起きた死亡事故のデータを集めた結果、大多数の死因が頭部外傷と判明し、対応策に生かせたと紹介。「再発防止のためには事実究明が必要で、全国で共有されるべきだ」と主張した。

事故は西条市中奥の加茂川で発生。増水した川に流された慎之介ちゃんが死亡し、別の園児2人もけがをした。

〔共同〕

一般社団法人吉川慎之介記念基金サイトを公開しました

9月7日 一般社団法人吉川慎之介記念基金サイト(本サイト)を公開いたしました。
事業の進捗に合わせて、各事業サイトを構築してまいります。

子ども安全学会 基調講演のお知らせ

この度、設立いたしました「一般社団法人吉川慎之介記念基金」の中核事業として、
これまでに開催してきた本会の勉強会を発展的に拡大し、さらに、永続的なものとすべく、
「子ども安全学会」という形で学会を発足することといたしました。

今後、保育・教育現場における安全危機管理についての研究や情報共有・発信する場として、
研究者、専門家の方とともに、アカデミックな研究とともに、
日本では共有化が遅れている事件・事故情報のデータベース化等を実装し、
「子ども」たちを危険から守るための臨床事例の蓄積及び研究の拠点として運営して参る所存です。
どうぞ、皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
つきましては、「子ども安全学会」第一回学会基調講演を下記日程で開催いたします。
下記要領にて開催いたしますので、是非とも、ご参加賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

   

      第一回「子ども安全学会」基調講演

       日時:平成26年9月7日(日) 13時~16時
       場所:【会場】外国人記者クラブ
              東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル 北館 20F
    
       参加費:1000円

                 <<テーマ・進行>>

         「保育・教育現場の事故事件から子どもの安全を考える」

         13時00分 ご挨拶・学会についてのご報告・説明
         13時10分 内田良氏
              名古屋大学大学院 教育科学研究科教育社会学博士准教授
              学校リスク研究所主宰 
         14時00分 小佐井良太氏
              愛媛大学 法文学部総合政策学科准教授
         14時50分 - 休憩(10分) -
         15時00分 掛札逸美氏
              NPO法人 保育の安全研究・教育センター代表理事
              博士・社会心理学/健康心理学
         15時50分 パネル・ディスカッション
              司会:光野真純弁護士
              パネラー:内田良氏、小佐井良太氏、掛札逸美氏、畑中鐵丸弁護士

     ※以上は予定であり、前後する場合があります。

     ※講演の様子を見て学会入会を検討したいという場合、その旨ご連絡ください。
      ご加入ご検討、何卒よろしくお願い申し上げます。

~二年を経て~ 「一般社団法人吉川慎之介記念基金」設立へ

事件発生から、本日7月20日で2年が経過します。
考える会では、原因究明と再発防止のために、活動を展開して参りました。
さらに、具体的な再発防止と事故事件予防に取り組むために
7月7日、考える会は「一般社団法人吉川慎之介記念基金」を登記申請し、法人として活動を展開していく運びとなりました。
法人設立のご報告を、9月7日(日)慎之介君の誕生日に、東京で行う発足式にて、発表させていただく準備を進めております。
発足式に関してましては、詳細等、改めてご報告させていただきます。
何卒よろしくお願い申し上げます。

夏の事故を防ぐ~水の事故と熱中症~

4月27日の勉強会にて、水の事故や保育・教育現場における安全危機管理・意識について
有識者の先生方からお話を伺い、議論を深めました。
H26年6月27日、28日付けで朝日新聞より熱中症と水の事故について、注意喚起記事が連載されました。
プールや川遊びに関しては、神奈川県大和市の私立幼稚園のプール活動中に水死した伊礼貴弘君の事件と
学校法人ロザリオ学園西条聖マリア幼稚園のお泊り保育中、川で溺死した吉川慎之介君の事件を例に
勉強会での議論が反映されています。
毎年、繰り返され続けている事故は、大人の安全に関する意識と知識で防ぐことが出来ます。
大人を信頼し指示・指導に従う子供達を危険にさらし命が奪われるようなことがあってはなりません。
子供の安全に対する過信、見逃し、見守りを改めて見直していきたいと思います。

 

■朝日新聞(2914年6月28日記事より)
(夏の事故を防ぐ 子どもとスポーツ第8部)周りの大人、見守りが大事
asahi_20140628

「事故が起きるかもしれないという意識が薄すぎる」。神奈川県大和市の伊礼康弘さんは唇をかむ。2011年7月、同市の幼稚園で、プール活動中に長男貴弘君(当時3)が水死した。

■プールや川遊び

目を配る注意義務を怠ったとして、今年3月に業務上過失致死罪で横浜地裁から有罪判決を受けた幼稚園の元担任は事故当時、プールに背を向けてビート板や浮輪の片付けをし、目を離した時間帯があった。同僚の声で気づいた時、貴弘君は水深約20センチのプールでうつぶせで倒れていた。
担任は裁判で「園からは園児が楽しく過ごすためのアドバイスはあったが、安全指導はなかった。短大でも安全管理について教えられていない」と証言した。
「幼稚園や学校は、楽しさばかりを重んじ、命の大切さを重んじていないのではないか」
伊礼さんは根本的な問いを投げる。この事故では、当時の園長も同罪で起訴されている。

プール活動だけでない。12年7月には、愛媛県西条市の幼稚園のお泊まり保育の中で、昼間に川遊びをしていた吉川慎之介君(当時5)が水死した。
父の豊さんと母の優子さんは「自然は良いものというイメージの裏にある、本来の自然の怖さへの認識が薄い」と訴える。
事故当時は好天だったが、数時間前ににわか雨が降った。川には泥水が流れ、遊んでいるうちに水位は園児たちの胸の辺りまで上がった。自分で岩に登ったり、園の教諭や近くの大人に抱えられたりした子がいる中、慎之介君は教諭の1人や4人の園児らと流され、150メートル下流で引き揚げられたが、死亡した。幼稚園側は浮輪などの救命具を準備していなかった。
この事故では、当時の園長ら3人が、増水を予見できたにもかかわらず安全対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪で松山地検に在宅起訴され、今も公判が続いている。
両親は損害賠償を求める民事裁判も起こした。被告の幼稚園側は「増水は予見できなかった」と主張している。
「長年、同様の行事を実施してきて事故が無かったからと、安全への過信がなかったか。水の中は大気の中と違うことを大人が意識しないといけないのではないか」と両親は話す。

 

■浅い場所も注意

人口動態調査によると、09年からの5年間に499人の子ども(14歳以下)が不慮の事故で水死している。

溺れているかどうかは、周囲が意識して見守っていないと見つけにくい。
日本ライフセービング協会指導員の佐藤洋二郎さんは「目撃例をまとめると、浮力を保つために手を下ろし、息をしようと口をパクパクしながら上に向けている動作が多い」。
叫び声を上げたり、水面を手でバシャバシャしたり、という一般的に持たれるイメージとは異なるという。

「周囲の大人は遊んでいる子から目を離さないことが大事。泳いでいる様子を見せていない時は溺れていると疑った方がいい。子どもは水を飲むとパニックを起こすので、水が浅いところや足がつくところでも持つべき意識は同じ」と警告している。

 

 

全国保育団体連絡会 月刊誌「保育情報」2014年4月号
に記事が掲載されました。

全国保育団体連絡会
月刊誌「保育情報」2014年4月号

◆巻頭随想◆
「大人を信じている子供たちのために」
~幼稚園行事での死亡事故について考える~

吉川慎之介君の悲劇を二度起こさないための
学校安全管理と再発防止策を考える会
代表幹事:吉川優子

記事が掲載されました。

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この事件について感じたことや明るみになった問題点や
今までの活動などについて、記事を寄せてほしいとのご依頼を頂き
事故後、幼稚園側から説明を拒まれ続けたこと
原因究明のために、保護者と救命救助してくださったスタッフの方々と事故検証を行った事、
安全危機管理体制が杜撰であった事
行政に対し第三者事故調査委員会の設置を要請したこと
私立幼稚園は指導監督する機関が無いという現状など
これまでの経験から得たことを綴り、寄稿させていただきました。

このような機会を与えて下さったことに、心より感謝申し上げます。

 

H25年12月26日:日本経済新聞
「私学に改善命令可能に文科省、ずさん経営監視へ法改正」

H25年12月26日11:25 日本経済新聞

文部科学省は26日、私立学校を運営する学校法人が資金繰りの悪化や法令違反などの問題を抱えた場合、立ち入り検査や改善命令ができるよう、私立 学校法を改正する方針を固めた。経営破綻などの恐れのある学校法人の実態を早期に把握するのが狙い。来年3月にも改正法案をまとめ、通常国会への提出を目 指す。

文科省によると、問題のある学校法人への行政措置は現在、解散命令に限られている。同省が今年3月に解散命令を出した堀越学園(群 馬県高崎市)ケースでは、数年前から経営悪化が表面化していたが、学園側が指導に従わずに学生募集を続け、在校生の転学先が確保される前に発令が決まる事 態となった。

改正案は学校法人の運営が混乱した際、文科省や都道府県が実態を把握するため、立ち入り検査ができると規定。法令違反が明らかな場合は改善命令を出すほか、法人の財産を横領するなど不正行為をした役員を解職するよう命じることもできるようにする。

国や自治体の監視権限が強まれば、私学の自主性を尊重する私立学校法の理念に抵触する可能性があることから、改善命令などの強制措置をとる場合は有識者からの意見聴取を義務付ける。

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愛媛県、西条市共に「私学の場合、検査をする権限がない」「私学の自主性を尊重する」
という理由から、事故調査は出来ないとしてきました。
今後、上記の理由は通用しなくなります。
私学に対し「指導・監督する機関がない」という問題点が、改善されようとしています。
法改正に向け動向を注視し、行政に見解を求めていきたいと思います。

H25年12月22日(日) 全国柔道事故被害者の会シンポジウムへ参加しました。

体罰=暴力=虐待であり、体罰=指導は錯覚で間違いである

体罰を容認する日本の風潮、今、転換期にあります。
犠牲になっているのは紛れもなく「子どもたち」です。
大人が大人を殴れば「暴行事件」となります。
でも、大人が子供を殴ると「指導」という言葉にすりかわってしまい
責任の所在も有耶無耶にされてしまう現実があります。
そして公務員であれば、国家賠償で守られるという理不尽な現状もあります。
目を背けることなく事実を受け止めて、社会全体で変わっていかなければならない
そう痛感しました。

12月7日の勉強会に参加してくださった故伊礼貴弘君のお父様が12月14日に刑事裁判を迎え、現在の思いを寄せて下さいました。

伊礼さんから考える会サイトよりご連絡を頂いたのは今年8月の事でした。
同じ遺族として、これから情報交換をしながら、これらの事故事件を繰り返さないために
共に歩み、前を向いてこう、そういう思いの中、勉強会へも参加してくださり
起訴状を元に、貴弘君死亡事件の資料を作成し説明をして下さいました。
子供の溺死に関する認識、水に対する知識を深め、共通する問題点と向き合いました。
勉強会での伊礼さんの自己紹介の言葉が心に残っています。
「私にとって今日がスタートです。再発防止、真実究明に、皆さん力を貸してください。」
私達にとってもこれからです。

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最近になり、報道でも出ているように貴弘の写真を多く見るようになりました。
遺族も、妻の友人も貴弘の笑顔を見て泣いています。
悲しみの涙という意味もありますが、貴弘の笑顔が、貴弘との思い出が
とても愛しいものだったと感じています。

正直今でも苦しいです。
水の中で苦しんだ貴弘の事を思うと辛くて仕方ありません。
裁判の結果がどうなろうともこの思いが消える事はありません。
ですが、前を向いて進んで行くためにこの裁判を乗り越えていきたいと思います。
貴弘が私と妻の子供に生まれてきてくれた事に、皆様の支えに感謝致します。

貴弘の為に。
風化させない為に。
再発防止の為に。

頑張ります。

伊礼康弘