平成27年8月20日
学校法人ロザリオ学園 西条聖マリア幼稚園管理下における園児溺死事件に関し
学校安全管理上の問題を検証する第三者委員会(通称:慎ちゃん委員会)
事故調査報告が完成しました。
2016年5月31日 「調査報告書の内容一部補訂につきまして」
~調査報告書「はじめに」より~
本報告書は2012年7月20日(金)、学校法人ロザリオ学園・西条聖マリア幼稚園の「お泊り保育」の一環として、西条市中奥所在の「石鎚ふれあいの里」の脇を流れる加茂川で水遊びを行っている際に急な増水が発生し、吉川慎之介君(当時5歳)が急流に飲まれ溺死し、他に2名の子どもも傷を負った事件(以後「本件事件」と称す)を対象に、「吉川慎之介君の悲劇を二度と起こさないための学校安全管理と再発防止を考える会」の依頼に基づき、当委員会が行った調査・検証の成果をまとめたものである。
本件事件のような悲しい出来事が二度と起きてほしくないことは、あらためていうまでもないことである。だが、そのためには、その悲しい出来事を直視し、何が私たち子どもの教育に関わるおとなの課題であるかを明らかにしたうえで、私たちおとながそれぞれの立場から、その課題をどのように克服していかねばならないかを考え、着実に行動に移していかなければならない。また、その行動もまた本当に適切であったのかどうか、絶えずくり返し点検・修正されなければならない。さらに、本報告書の内容や私たちの調査・検証のあり方もまた、本当に妥当なものであったのかどうか、さまざまな形で吟味、批判的検討にさらされる必要がある。そうでなければ、幼児教育や保育の現場で悲しい出来事が起きたときの調査・検証のあり方もまた、向上することがないからである。
本報告書は今後、たとえば教育・保育の現場実践者や研究者、行政職員や私立学校を運営する学校法人関係者、弁護士や医師、カウンセラー等の専門家、マスメディア関係者、保護者・市民等、さまざまな立場のおとなによって読まれることと思う。上述のとおり、ひとりひとりのおとなが、それぞれの今、置かれている立場から、本件事件のような悲しい出来事を二度と繰り返さないために、本報告書を手がかりにして最善の努力を尽くしていただくことを切に希望する。
学校法人ロザリオ学園 西条聖マリア幼稚園管理下における園児溺死事件に関し
学校安全管理上の問題を検証する第三者委員会(通称:慎ちゃん委員会)
委員長 住 友 剛 (京都精華大学人文学部教授、教育学)
委員 石 井 逸 郎 (弁護士、ウェール法律事務所)
委員 小佐井 良 太 (愛媛大学法文学部准教授、法社会学)